きっと、君を離さない

｢そう思わせてくれたのは、悠斗なの｣

｢そっか・・・｣




悠斗さんの事を話す春香はとても幸せそう。




｢私ね、ずっと一人ぼっちで生きてきたの。中学の時、私を救ってくれた人が事故で死んじゃって。それから、誰も信じられずに生きてきてた｣

｢え・・・｣

｢好きでもない人と体を重ねたこともある。お金のためでも、夜の仕事をしていたし・・・｣




知らなかった春香の過去。




｢そんな汚い私を、丸ごと愛してくれたのは悠斗なの｣

｢・・・素敵な人だね｣

｢うん・・・。ごめんね。自分の話、してこなかったんだもんね｣

｢・・・春香｣

｢汚い自分を見せるのが嫌で。理恵の前では綺麗な私でいたくて・・・｣




どうして私は聞かなかったんだろう。
春香の事を、教えてっていえなかったんだろう。





｢理恵はね、私の初めての友だちだった。臆病で、人の顔色ばっか見てて。でも、心優しい女の子。本当に、友だちだって思ってたんだよ｣

｢私も・・・春香の事、本当に、親友だって・・・っ。それなのに・・・｣



なんで、逃げたんだろう。





｢お互い様｣

｢え？」