きっと、君を離さない

｢理恵は、私を置いていった。私は、理恵にウソの自分を見せてた。私も、謝らないといけないもの。だから、お互い様｣

｢ウソをつかれたなんて思ってない！だって、私が見ていた春香だって、本当の春香だから｣




だってそう思うの。
あの時私にぶつかってきてくれていた春香の言葉は本物だった。




｢仲直り、しようか｣

｢・・・いいの？｣

｢当たり前でしょ？」




春香の笑顔が眩しい。
嬉しくて、心が温かくなる。




｢草ちゃんとは、話せた？」

｢・・・うん。待ってくれてる｣

｢理恵はさ、今草ちゃんの事どう思ってる？」

｢・・・引っ越して、私、新しい恋もして彼氏もできた・・・。でも、どこか満たされなかったの。・・・草太さんにさっき再会して・・・やっぱり草太さんが好きだって思った・・・｣



都合がよすぎるかもしれないけど。
一瞬でよみがえった気持ち。

もうその気持ちにウソをつきたくない。




｢草ちゃんね、理恵がいなくなってしばらくして、いい感じの女の子ができて。その子と付き合ったんだけどさ｣

｢・・・うん｣

｢理恵と同じような理由で、別れちゃったんだよ。それで今も、フリー｣

｢そうなの・・・？」

｢ねぇ、理恵。どうする？｣



春香が、私の目をまっすぐ見て問いかける。