きっと、君を離さない
私の肩を抱くようにして手を回し、顔を覗き込む金髪の男。
にやにやと厭らしい表情を浮かべる。
「ね、こんなところで一人でなにしてるの?」
「・・・」
「暇なら遊ぼうよ。イイことして」
チャラそうな男が囁く。
色のない瞳でその男を見た。
男なんて、みんな。
「金ならあるからさ、行こうよ」
「・・・・・・いいよ」
もうどうなったっていい。
誰にも、私の声なんて届かないんだから。
理恵にだって、届かなかった。
こんな体、どうなったって。
「ほら、いこうぜ」
私の肩を抱き歩き出す男。
香水のにおいが鼻につき、気持ち悪い。