きっと、君を離さない


目を覚ますとベッドの上だった。
なんで寝ているんだっけと思考を巡らせる。
ああ、そうだ。


私はあいつの前で泣いてしまったんだ。
泣くなんて。

そんな私を、あいつはずっと抱きしめて背中をさすってくれていた。
そのまま私は眠ってしまったんだ。
私をベッドまで運んだんだ。
変な男。




なにもすることなくここから出るなんて初めてだ。



そんな男、存在するなんて。
男なんてみんな同じはずでしょ。



とりあえずシャワーを浴びよう。
昨日入りそびれてしまったのだから。





バカね、信じたところで裏切られるのが落ち。
今までだってそうだったんだから。





シャワーでわいてきた雑念を洗い流す。





傷つくのは嫌。
だから、信じるなんて馬鹿がすること。




私は、なにも信じない。






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