きっと、君を離さない




―また出直してくるから





そう言って帰った健太を、素直になれなくてそのあと追いかけた。
そこで見た、事故の現場。



横たわる健太に、その地面を赤く染め上げる血。
騒然とする現場に、なにも考えられなくなった。








お願い。
置いてかないで。










私を一人にしないで。









私は悠斗に駆け寄り彼に触れた。
ぬるっとした感触に、手が震えた。








「いやあああああああああ!」







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