きっと、君を離さない



開かない瞳に、顔を映したくて。
その瞳を開けてほしくて顔を覗き込む。





「や・・・健太・・・やだ・・・」





助けて誰か。
これは夢だと言って。





また、私のせいで・・・・。
私のせいで、彼が・・・。





救急車のサイレンとパトカーのサイレンが大きくなっていく。
駆けつけた救急隊員が彼を私から引き離し応急手当てを施す。


それでも彼に駆け寄ろうとする私を、他の救急隊員の人が抑えていた。




連れて行かないで。
彼を。





だって、彼はあの車が連れ去った。






そして健太は戻ってこなかったんだ。








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