きっと、君を離さない
「春香ちゃん!」
肩を揺すられてハッとした。
あ・・・私、記憶が混沌としていた。
「ごめ・・・なさい」
「大丈夫か?」
「・・・校門でたら彼がいて・・・。言い合いになったの。私、逃げ出したくて・・・そしたら」
「うん」
「車のクラクションが・・・。誰かに・・・彼に、押された。・・・そしたら、ドンって音が・・・」
「わかった。わかったから」
少しだけ冷静になって、草太に告げた。
そうだ。
そうだった。
「私の・・・せい。・・・私が・・・」
「違う。春香ちゃんのせいじゃない。自分を責めるのは、違うよ」
「でも・・・」
「大丈夫。あいつ、そんなやわじゃない。信じよう」
草太が優しく微笑む。
だから私は、少しだけ心が穏やかになれた。