きっと、君を離さない
高校に入ってすぐ逃げるように一人暮らしを始めた。
健太と出会いケンタを失ったあの施設にはいたくなかった。
私は、母方の遠い親戚の江梨子さんを頼って一人暮らしの手続きと、働きブチを与えてもらった。
江梨子さんの経営するスナック。
18歳未満である私が出来る仕事も時間帯も限られているけど、働かないよりはましだった。
18歳になれば制約も減る。
そして入ったスナックで出会った男たち。
キャバクラとは違うけれど、お金を払ってお酒を飲み女の人と話して帰っていく。
酒の匂いは嫌いだった。
酔っ払いを見るのはもっと嫌い。
私には向かない仕事だってわかってた。
私はどんどん男を信用できなくなっていく。
どんな男も、同じに見える。
大っ嫌いな父親に、重なる。
江梨子さんも初めは止めたけど、私が強引に押し切った。
別にこれ以上男を嫌いになろうと、私にはどうでもいいことだったから。
私はもう恋なんてしない。
できないんだから。