きっと、君を離さない
「それは、お前がしないといけないことなのか?」
「ひとりにしないでって・・・泣いてるんだよ」
冷たい手。
涙が乾いた跡がある頬。
君は何に泣く?
誰を想い苦しむの?
一人にしないでって声は、君のもの?
「だからそれは、お前じゃないとダメなのかよ」
「俺に、手を伸ばしてくれたんだ。助けてって、この手を伸ばしてくれたんだ」
それが、ただの幻だとしても。
本当は、俺にではなかったんだとしても。
でも、確かに伸ばされたその手を俺は・・・。
「このお人よしが。それがこんな結果を招いてんだろうが」
「これは、ただの事故だよ」
それに、俺が彼女を動揺させた。
俺と会う時の彼女はいつも何かにイライラしてた。
あの瞬間だって、とっさに体が動いてたんだ。