※クールな彼の笑顔にご注意下さい




「雪翔!」



その名を呼ぶ声に更なる波を打つ私の心




「麗菜」




ダメだと思いながらも思わず影から2人の様子を伺う




「今から帰りか?」



「うん、雪翔も?」




「あぁ。不審者出てるらしいから送ってくよ、麗菜」




「・・・ッ」



やっぱり、見なきゃよかった・・・




神田くんの麗菜さんに向けられる目



あんなに・・・柔らかい・・・




好きだからこそなんだろうな・・・きっと




だから、あたしには・・・






「・・あ、あれ・・・あたし・・」





知らぬ間に出た透明な涙が頬を伝う




本格的に・・・あたし、神田くんを好きで居ちゃイケナイんだ・・・




早く、やめなきゃ・・・





涙を拭って神田くんと麗菜さんがいなくなった昇降口で流輝を待つ




「わり、遅くなった!」



ちょっぴり息を切らし気味の流輝



あたしを待たせまいときっと部室からずっと走ってきたんだろうなっ




「全然待ってないよっ!」



流輝はスニーカーに履き替えて、私の家の方面へと歩き始める




角を曲がった所でひと気が少なくなると流輝が口を開いた




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