神様、私は壊れたようです。
パシッ、と耳元で音がした。
「なっ…」
上条が驚いた顔をする。
こっちに向かってきた手は、わたしの右手に収まっている。
上条や周りの取り巻きは目を丸くしているけど、実際そんなに早い動きじゃないし、止められないわけがない。
それよりもイライラしている。
勉強が好きなわけじゃないけど、サボるのは嫌いだ。
「授業始まるから、戻っていい?」
そう言って握っていた手を振り下ろして、教室に戻った。
上条たちは追いかけることもせず、ただ固まっていた。