神様、私は壊れたようです。
目の前に《ザザザッ》という、砂嵐のような映像が流れる。
音はだんだん小さくなって、砂嵐の奥から〈何か〉が映り始めた。
見慣れない街の自販機の前に、1人の男性が立っている。
仕事帰りなのか、ピシッとしたスーツを着ていてコーヒーを買った。
そして、男性がコーヒーを飲もうとした瞬間に人影が現れた。
人影は男性に駆け寄って、軽くぶつかる。
するとその男性が「うっ」とうめき声をあげて、その場に崩れ落ちた。
男性の胸から赤いしみが滲んでくる。
人影が手に持っているナイフも赤く染まっていた。
すると、その人影はゆっくりこっちを向いてきた。
目が合ったその人影は、私。
不気味に口の両端がつり上がっていた。