お母さん系男子の幼なじみがスキなんです。
***
午前7:10、
バタバタと玄関に向かうあたしの足音が響く時間。
急いで靴をはいて
「じゃー、いってきます!」
その声と一緒にあたしは家を出た。
ーーと、同時に真向かいの家からもガチャリ。
ドアが開いて彼が出てくる。
あたしに気づくと「おはよう」と小さく笑った。
「蒼輔出てくんの遅ーい、今日はあたしの勝ちね」
「なーにいってんの。ふみもほぼ同時に出てきたでしょ」
そう言って、あたしのおでこに
軽いデコピンをかます。
「...いたっ、なにすんの蒼輔ぇ」
「ふみがいじわる言ったから」
「女の子に暴力はんたーい!」
フッと笑って、「ちゃんと手加減したでしょー」とあたしの頭をくしゃっと撫でたのは
あたしの幼なじみ、及川蒼輔。