続犯罪彼女



「……なんで今さらになって」

今日の帰宅中に襲われたことを思い出し、ベッドで呟いた。

復讐倶楽部は、今でも続いているのだろうか。



スマホの音が鳴った。
その音は私に着信を報せる。
画面を見ると豊からだった。

「……はい?」

豊から電話なんて珍しい。
そう思って電話に出た。

『もしもーし』

「……誰?」

画面をもう一度確認する。確かに豊からかかってきているはずだ。
……なのに声が違った。話し方も違った。

『こんばんはぁ。悪いけどこの電話の持ち主さ、俺らがボコっちゃった』

電話口から笑い声がする。

「何が目的? 豊は無事なの?」

『無事じゃないかもなぁ。だから迎えに来てやれよ、彼女さん』

電話の相手はそう言って場所を指定してきた。

私が通う玉来高校の近くの公園だった。


『罪には罰を。強者に敗北を。弱者に勝利を』

電話を切る前、男はそう言った。

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