続犯罪彼女
「……ち、ば?」

眉をひそめるすーちゃんに笑顔を向ける。
彼はちゃんと私を認識できたみたいだ。

「薬届けに来ただけだからね」

「……薬なんて、飲まん」

「子どもかっての。ちゃんと飲まなきゃ治りませんよー?」

すーちゃんはそっぽを向いてしまった。

「さてすーちゃん。ゼリーとプリン、どっちがいい?」

「……ゼリー」

「ならこれをあげよう」

すーちゃんには途中で買ったぶどうゼリーをあげた。
彼は何を恐れているのか、恐る恐るゆっくりと、ゼリーを口にする。

なんとか食べられるみたいだ。よかった。

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