続犯罪彼女


「ちゃんと飲んでね、ここまでしたんだから」

唇を離し、手ですーちゃんの口を押さえる。
喉が動いたのを確認してから手を離した。

「げほっ、てめえ!」

「思ってたよりも元気そうだねぇ」

私を睨みつけながらも動こうとはしない。よっぽど怠いんだろうな。

「よし。飲んでくれたみたいだし私は帰ろうかな。
そこに置いてる薬をそっちのメモ通りに飲めってさ。わかった?」

返事がない。だがまぁ理解していただけただろう。相手は義務教育を終えた立派な大人だ。

「千葉」

すーちゃんが私を呼ぶ。
声があまり出ていない。喉が痛いんだろう。

「なーに?」

返事をしてやると、すーちゃんは言いにくそうに口を動かした。

< 131 / 345 >

この作品をシェア

pagetop