続犯罪彼女


「えっと、出来ましたけど…」

岡さんが部屋に戻ってきた。
彼は壊れてしまった携帯を見事に復活させてくれた。すごい。
携帯を手に取り中を確認する。割れた液晶も直っているし、データも無事なようだ。

「ありがとうございます!
それで、えっと料金は…?」

岡さんに頭を下げ、修理代を尋ねると、彼は困ったように笑った。

「面白い話聞かせてもらった礼に、私が払っておいてあげるよ」

「でもそんな…悪いです」

「修理代くらい平気だよ。君はその分のお金を使ってこの街を満喫してくれたらいいさ」

「気にせんでいいよ。こいつこう見えてめっちゃ金持ってるから」

丸さんが笑う。女性は否定をしない。

私はその厚意に甘えることにした。

正直ここでの出費は結構な痛手だったりする。

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