続犯罪彼女
私は走る速さが尋常ではない二人に追いつける気もしなかったから、最初から諦めて追いかけなかった。

道の端に座り、圭吾さんが帰ってくるのを待つことにする。



「圭吾さんも千葉さんも、楽しそうだったなぁ」

小さく呟いた言葉は都会の喧騒にかき消された。


追われる千葉さんの表情。
追いかける圭吾さんの表情。

二人の表情は楽しそうで、なんかキラキラしていた。


私では二人の間に入ることは出来ないと実感した。

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