続犯罪彼女
「大村大吾だよね」
彼女は俺の名を口にした。
俺はそれに頷く。
「……それはよかった」
彼女は動き出した。
と思ったら、俺はいつの間にか地面に背をつけて空を眺めていた。何故か倒れてしまっている。
「げほ!」
彼女の足が俺の腹に入り、咳き込んだ。
彼女はそんなことに興味はないという素振りで口を動かし続けた。
「覚えてはいないだろうし、彼も望んでいない。これは私の自己満足だ」
女は口角を上げながら言った。
何の話をしたいのか、まったくわからない。
とにかく、何かしら恨まれていて、その恨みを晴らそうとしているのがわかった。
あぁ、心当たりが多すぎてどうしようもできない。