続犯罪彼女
「大切な二人の友人を助けられるのが君だけだとすれば、君は大切に築き上げた平穏を捨てることができる?」

千葉さんは口角を上げながらそんなことを尋ねてきた。

「いや、助かるのはあの二人だけじゃない。他にも多くの弱者が助かるはずだ」

何の意図の質問なのだろうか。私にはわからない。

「いい加減気付くべきだよ。君の築いた日常はあの二人あってのものでしょう?
なら、あの二人がいなくなった時点で君の平凡な日常は奪われたんだ。
君にはふたつ、選択肢がある。
今の平穏な毎日を享受するか、前の日常を取り戻す為に戦うか、ね」


二人がいなくなって寂しい。
できるなら、また三人で高校生活を楽しみたい。

それが私の望む平凡な日常なんだ。



私は本能や二宮さん達の警告を頭の隅に押しやり、目の前の千葉さんに応えた。

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