続犯罪彼女

「やっと捕まえた!」

衝撃のあまり足を止めてしまった私の肩を掴む、竹刀を持つ女性。

私の目を奪って止まない光景に気付くと、彼女も固まってしまった。

いや、固まるというよりは、何かのパワーを溜めるような、そんな感じ。



「ち、ば……」

女性は壁ドンされている千葉さんの名を呼んだ。そして私の肩を離す。

「兄ちゃんを…誘惑すんな…!」

「あっ!」

女性が呟いた瞬間、突然千葉さんは叫んだ。その目は私と女性を見ている。それにつられて、壁ドンしている須磨圭吾さんもこっちを見た。
千葉さんはその微かな隙を突いて須磨さんに頭突きをした後、するりと彼の腕から逃げた。

「っ、てめえ!」

「まだまだ未熟だね!」

千葉さんが須磨さんをからかいながらその場を去った。ものすごいスピードだ。

「ちっ」

須磨さんは苦々しい顔で千葉さんの後ろ姿を見送った。
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