続犯罪彼女

「両方のチームにあいつが関わってんのかよ。
つまり、今の状況を創り出したのも千葉ってことだな。
そして今、千葉は押され気味の復讐倶楽部に肩入れをしてる、と」

未羽さんは話をまとめてくれた。それなりに頭が良さそうだと思った。
突然襲われたから短絡的な人だと誤解していたが、案外理論的な人なのかもしれない。

「太郎もあの女にほだされたんだろうな。男ってああいうのに弱いから」

未羽さんはじとっとした目で須磨さんを見た。須磨さんは視線を逸らしながら舌打ちをした。

「立花。私も復讐倶楽部改を支持する」

「え?」

「千葉の味方するなんて、地球が爆発して全人類が滅亡するよりも嫌だ。
そういう繋がりは面倒だから入るとかはしないけれど、千葉を潰す為に出来ることがあるなら何でもする」

未羽さんはそう言って連絡先を教えてくれた。
余程千葉さんのことが嫌いなのだろう。

「俺もお前に協力する」

須磨さんも言ってくれた。
でも須磨さん、本当にいいの?

「私は近い内に千葉さんを追い込みますよ? 須磨さん、それでもいいんですか?」

「むしろ俺以外の奴に千葉が追い込まれる姿なんて見たくないし、そもそも無理だろ」

何でもないように言う。
この二人の関係はよくわからない。

初めて見た時は喧嘩をしていた。器物破損レベルの。
次に見た時はキスしていた。須磨さんが強引にいったように見えた。


「気持ちはわかる。でもこの二人はそういう形なんだ。だからそういうものだって受け止めることしかできない」

未羽さんは私の考えていたことがわかったらしい。そう結論づけてくれた。

何もわかっていない須磨さんの前で、私は微妙な顔で笑った。

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