続犯罪彼女
「さて、私の相手は誰かな」

ポケットからナイフを取り出し、構える。
すーちゃんが歩み出ようとしたが、美紅ちゃんはそれを阻止した。
そして何を思ったか、すーちゃんの代わりに歩み出てくる。
少し、いや、かなり意外だった。



「君が出て来て大丈夫なの? 怪我するよ? おとなしく暴れるしか能のないすーちゃんに任せた方がいいんじゃないかなぁ」

「いえ、私でいいんです」

美紅ちゃんは私を真っ直ぐ見つめる。

……やだなぁ。この目、苦手なんだ。

敵意や怒りではなく、希望や期待に満ちた目。
< 237 / 345 >

この作品をシェア

pagetop