続犯罪彼女
「私はあなたと戦うつもりなんてありません。もちろん許す気もないですけど。
あなたには、生きていてもらわなきゃ困る。誰にも負けることのないまま、生きて、この街のどこかにいてもらわなければ」
「何言ってんの?」
「あなたという敵がいて初めて、私はチームをまとめ上げることが出来ました。
だから、羽柴くんと二宮さんを守るためにはあなたも必要なんです」
「君も敵を創り上げるんだね。私がそうしたのと同じように」
「そうなりますね」
「それでいいの? まとめ上げるためには君はチームにいなきゃいけない。君の望む平穏には戻れないんじゃないかな」
「もういいですよ、そんなの。
それに、目的を果たせないのはお互い様じゃないですか」
「目的?」
「私は平穏を手に入れること。千葉さんは……誰かに壊されること」
美紅ちゃんの言葉に、無意識に口角が上がったのがわかる。
「私はあなたの自傷行為に付き合うつもりはない」
私が想像していたよりもずっと、彼女は鋭い。