続犯罪彼女
「やっ」
「……千葉?」
目の前にいる男性は私を見て眉をひそめる。
いつも彼の後ろをついて回る双子が、今日はいない。別にいいけど。
「久しぶりだね。元気してた?」
私の質問に答えることなく、彼は私の胸ぐらを掴んだ。
「珍しいな。怒ってるの?」
「……」
何も答えることなく、胸ぐらを掴んだまま睨んでくる。
その視線から彼が怒っていることくらい察しがつく。
初めて彼に向けられたその視線に、背中がゾクゾクした。