続犯罪彼女

「どうして梢を巻き込んだ?」

「大した理由はないよ。梢ちゃんの理想に私が具体策を与えただけ。
あ、でもセイギくんの反応が見たかったってのも確かにあるね」

より一層、セイギくんの目が怒りに燃えた。

笑ってくれることも少ないけど怒ることもなかったセイギくん。
ちゃんと怒れるんだなぁ、なんて思う。

「俺はお前を許せない」

「そっか。それはとても残念だなぁ」

私は彼を親友だと思っている。
だから口調は軽くても、これは本心だ。

だけどこれは私が望んだことでもあるから。

「ちなみにどうして私が来たかって言うとだね、怒るセイギくんに殴らせてあげようと思って」

「……」

セイギくんが手を離した。

「俺は女を殴らない。だからもう二度と、俺の前に現れるな」

「……」

セイギくんはどれだけ怒っていても、その信条を曲げないようだ。

少し残念。でも怒るセイギくんを見れてよかったとしよう。
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