続犯罪彼女

舞島吾郎




「あは、本当あり得ないよね」

俺の運転する車で、女が楽しそうに笑った。

俺と同じ顔の女。いや、俺が同じ顔なのか。

とにかく、こいつが揶揄でも自嘲でもなく、心底楽しそうに笑う顔を見たのは、一年の付き合いの中で初めてだと思う。

少女のようなその表情は少し可愛い。

「俺からすれば、お前も十分おかしい」

「そう?」

あんな化物と渡り合ったことも、こんな傷だらけなくせに笑っていられることも。

自分でもよく、こんな女に手を出したと思う。ここまでおかしな奴だとは知らなかった。

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