続犯罪彼女

岡村さんに教えてもらった情報を疑うことなく、すーちゃんが運ばれたという病院に向かった。


病院に着いたはいいけれど、どこにいるのかは全然わからない。
私は獣じゃないから、すーちゃんみたいに匂いを辿ることもできないしね。

……というわけで、私は人間の力でその問題を解決した。簡単な話だ。ただお小遣いをあげただけ。

病院で働く以上、個人情報だとかにもっと気を遣ってほしいけれど。
まぁ、その不用心さが私に情報をくれたんだ。感謝してる。


教えてもらった病室は6階11号室。お金のないすーちゃんには似合わず、個室らしい。部屋の前に須磨圭吾と書かれたプレートがあった。



部屋に入る。

消毒液臭い部屋の中、静かに眠るすーちゃんがいた。

たくさんのチューブに繋がれていて、点滴もしている。

ほぼ全身を包んでいる包帯が、彼の傷の凄惨さを物語っていた。


だけどほっとした。
すーちゃんと繋がったモニターに変動はなさそうだ。それに、ICUではなく個室に入っているということは、それほどの管理を要しないことを意味する。きっと彼は大丈夫なのだろう。

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