続犯罪彼女
「銃を使う相手」
「あっさりした退き際」
「銃声」
私はそう呟き、口角を上げた。
誰かはわからないけれど、どのような奴かはわかった。
銃を使う奴なんて日本にそうはいない。
そしてその中で退き際を知っているということは、銃の扱いに長ける人物であると言える。
精神的な余裕がなければ他人が来たことにも気付かないだろうし。それに五発しか撃っていないのに五発全てが対象に命中するなんて、初心者じゃそうそうない。
そんな奴らが銃にサイレンサーをつけることを知らないわけがない。
つまり、あえてつけなかった。
それはなぜか。すーちゃんを見つける誰かが必要だったから。
その意味は? 目的はすーちゃんを殺すことではないから。
ではなぜすーちゃんが傷付いた? 実の父親に殺し屋を雇ってまで命を狙われる私とすーちゃんが、昔付き合っていたから。
ちょうど良く、私には殺される理由がある。
今まで殺し屋から逃げ仰せては、その度にその殺し屋の評判を下げてきた。
私を殺せば殺し屋としての評価が上がるのかもしれない。
それに私には敵が多い。その中の誰かが依頼したのかもしれない。
したがってこれは私が売られた喧嘩だ。
……まあ、そんなことどうでもいい。
大事なことは、だ。
そのせいですーちゃんは傷付いたってこと。