続犯罪彼女

「正解は隣の部屋でーす」

廊下から大破した部屋に入ってきた。

「ふっふーん。お片付け完了っと」

爆発っていっても威力はそこまで強くない。爆風の衝撃で全身痛いけど。

とりあえずよくわからない奴が出て来たから動かずにいることにしよう。

「俺が誰かわかるかなー?
ヒントは君の兄! あ、これ答えか!」

男は楽しそうに笑っている。
何が楽しいんだか。

「仕組んでいたのは全部俺でーす!
こないだアメリカから帰国してさー、父さんがお前に弱味握られてるの知って、俺結構ショックだったんだ。
んで、一応世話なってるし、助けてやろうと思ったわけ!
父さんの弱味であるお前と、父さんが依頼したっていう殺し屋さえいなくなれば、父さんも安心できるだろ?」

八人を従えていたのは、てっきりこいつの父親の方だと思っていた。
もう少し冷静でいられたなら、この程度気付けたろうに。

でも順当と言えば順当かもしれない。

今まで何が謎かって、このタイミングであえてすーちゃんを巻き込む意味がわからなかった。

柴田はそれが私を怒らせることをわかっている。
私のもつ柴田の弱味はあいつの地位を揺るがすものだから、そんなことするわけないと思った。
そこまで頭は悪くないだろう、と。

だけどこいつなら話は別だ。

私がどんな弱味を握っているのかは知っていても、私がどのような人間かは知らない。
そもそも喋り方的に、知っていようとその対策を練るタイプでもなさそうだ。


盲点だった。
ちゃんと調べとけばこんな埃っぽいもので汚れることもなかったのにな。
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