続犯罪彼女


すぐに弾が切れた。
カチッカチッと虚しい音が鳴る。


「なんでお前に当たらないんだ!」

私は答えない。
弾道とタイミングと反射神経のお話だ。

「なんで動ける!?」

私は答えない。
私もすーちゃんほどではないけれど、人よりは少し丈夫な体をしているから。

「く、来るな!」

男は後退りしながら銃を投げつけてきた。
私はその銃を手で受け止め、さらに追い詰める。

「人に頼む時は来るな、じゃないでしょうに。
あと最期、質問に答えてあげよう」

ナイフを男の喉に突きつけた。
怯えた目で許しを乞うてくる。

「私は神様だから、なんでもできるのさ」

ナイフで肉を切る感触。


埃っぽい床に紅い液体が飛び散った。
< 293 / 345 >

この作品をシェア

pagetop