続犯罪彼女
「私、すーちゃんに殺されたいなぁ」

千葉は呟いた。嬉々とした表情で。

「大嫌いな私を殺すことが正義に繋がるならさ、すーちゃんだってさほど胸を痛めないんじゃないかな。
例えば、私を殺せば誰かが…いや、日本が救われる、とか?
そしたらさ、すーちゃんは私を殺し、憎しみは終わる。最初は胸を痛めるかもだけど、それも時が癒してくれるだろう。私もすーちゃんに殺されるなら本望だし、みんながハッピーだよね」


千葉の真意はどこにあるのだろうか。

殺されること?
須磨を傷付けないこと?

どちらもあいつの本心だろうけど少し違うと思う。

多分千葉は、須磨と会う口実が欲しいのだ。それは無意識かもしれないけど。

少しでも会えるよう、だけど傷付けないよう、と考えた結果浮かんだ計画がこれなのだろう。



千葉は須磨を愛しているのだ。歪んでいるが、一途に。

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