続犯罪彼女




「でもすごくない? 大賞獲ったんだよ、サクラちゃん! これで漫画家として軌道に乗ったんだ!」

興奮することなんてほとんどない村上大輔が声を荒げていた。
その隣に座る豪炎寺サクラは、照れながらも誇らしげだ。

「それはめでたいけど……なんで俺達の話なんだよ。見てて恥ずかしい」

「千葉さんから話聞いてる時にですね、もう、なんていうか、これだ!って思ったんです」

豪炎寺は須磨の質問に答えた。
須磨は千葉を睨んだが、千葉はしらばっくれている。


この三年間で豪炎寺は大きく変化した。

家から出るようにもなったし、最近では初対面の男性とも話せるようにまでなった。
彼女を愛する村上としては、それは嬉しいようで少し寂しい、複雑な気持ちだが。

< 327 / 345 >

この作品をシェア

pagetop