続犯罪彼女

「何してんのすーちゃん」

須磨が助けようとしても間に合わないだろうと思っていた。
その位置で須磨を立ち止まらせたつもりだった。

だが、彼はそんな千葉の予想を超えた。



彼の右腕。銃が撃たれた場所。
痛いはずなのだ。血も滲んでいる。

それに左脚や腹にだって、負担をかけているはずだ。傷が痛むはずだ。


自分の読みの浅さに腹が立った。

その未熟さが今、須磨に痛みを与えているのだから。

< 330 / 345 >

この作品をシェア

pagetop