続犯罪彼女


「……賭け、私の負けだね」

千葉はポツリと言った。

「お前は俺と一緒に生きるんだ」

須磨は鼻を啜りながら言った。

「俺は撃たれても死なない男だ。お前くらい守れる。勝手にいなくなったりもしねえ」

「気持ちが冷めちゃうかも」

「それはお前の方が先かもしれないだろ」

千葉は須磨と顔を見合わせ、笑った。


「たくさんの人に迷惑をかけたよ。
たくさんの人を殺したよ。
私にはたくさん罪がある。だから罰を受けなきゃならないの。

それでも生きていていいのかな」

「謝って、それでも文句言うようなら言わせとけ。何かあったら俺が助けてやる」

「元警察とは思えないくらい甘い罰だねぇ。小学生かよ」

「俺は好きになった相手には砂糖飽和状態のコーヒーよりも甘いんだよ」

須磨がらしくない比喩をしたから千葉は驚いた。
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