続犯罪彼女
駅から少し離れた公園。
「はぁ、はぁ…」
普段よく体を動かす二宮さんが息切れをしている。
インドア派の私は息切れというよりも呼吸困難に近い状態だ。
いつも周りを気遣う羽柴くんが走るスピードを緩めなかったことが、何か重大なことがあったのだと教えてくれた。
「いきなりごめんね。
会いたくない人がいたから」
「会いたくない人?」
会いたくない人と会わない為にここまで走ったのだとすると、いささか過剰な反応じゃなかろうか。
「会いたくない人。それに、美紅にも会ってほしくない人」
二宮さんは珍しくも真剣な眼差しだ。