続犯罪彼女
「ごめん、待たせたね」
「いや」
警視庁の外で待っている長身の女性…正確には女装をした男性だが、に声をかけた。
「行こうか舞ちゃん。しばらくはどっかのホテルにでも泊まらなきゃ」
「了解」
私と同じような顔の舞島吾郎。
大輔の腕はやはりすごいな、と改めて思う。
人を殺した舞ちゃんに、脱獄したとわからないよう、整形し性別を偽ってくれたのは悪友の村上大輔だ。
まぁついてるものはついてるけど。
何を思ったのか、舞島はその時私の顔になりたいと言った。
目の前に同じ顔の自分以外の誰かがいる。
今はまだ違和感と気持ち悪さを感じるけど、いつかは慣れるだろう。