続犯罪彼女




俺は夜道を歩いた。



千葉の、痛がる顔、腹立つ顔、人を馬鹿にしたような話し方と声、そして確かな温もりと匂い。

久々のあいつは昔と変わらぬあいつだった。


楽しかった日々を思い出す。
肌を重ねた日々を思い出す。
幸せだった日々を思い出す。

だけど、そんな綺麗な思い出と共に蘇るのは、一年前の千葉の言葉。


大阪にいる時も戻ってきてからも、何度も繰り返した。

幸せだった頃を思い出し、全てが崩壊した日を思い出す。
そしていつも、俺の心は怒りに燃えるのだ。

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