続犯罪彼女


「変わったのは髪型くらい、か」


だけど今日は違った。

あいつへの殺意からではなく、ただ、あいつともっと一緒にいたい。そう思った。


……久しぶりに感じた他人の温度が恋しいのかもしれないな。






俺はバーに入り、マスターに失敗を伝えた。

マスターは息を吐きながら「そう」とだけ口にした。

その表情は明らかに安堵したものだ。

マスターは千葉を自らの手で裁くことに抵抗があるからだと思う。そりゃそうだ。


俺は、そんなマスターを見て、俺があいつのケリをつけなきゃならないと思った。

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