**Real**
「お前
無理すんな。
ほんとはまだ好きなんだろ?
そいつのこと…」

悲しそうな瞳で
あたしを見る。

隼人には嘘つけないよ…


「すきぃ……
でも友達とその人のことで
喧嘩しちゃってねぇ…
もうやだぁ…」

チュ…

「ん…」

柔らかいものが
あたしのくちに…

あたし…隼人と…

「俺なら
こんな思いさせないのに…」

「はや…「俺 
最低だわ…。
ごめん…」

「謝んないで…
やじゃなかった…よ」

「え?」

されてもよかった
なんか
した一瞬だけ

嫌なことを
忘れられた。

「聖奈っ…
相手のこと
忘れろなんて言わないから…」

あたしはそのまま
隼人の腕の中にいた

〈愛されてる〉
っていう感覚の中が
とても心地よかった。

逃げ、
なのかもしれない


少しの間だけ。

少しだけ…。
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