**Real**

親友の恋

ピンポーン
ピンポーン…


あたしは息を切らし
美優の家の前まで来ていた。

「なんで相談してくれなかったの?」

そんな事ばかり考えながら。



「はい」

少し寂しそうな
でも暗く見せないような
そんな声。

「…悠斗と別れたって本当?」

少しの間の沈黙。

「待って。今そっち行くから。」

ガチャっ…

パタパタ…
茶色いドアの向こう側から
歩いてくる音が聞こえる。

「聖奈…」


「ちょっとあっちの公園
で話さない?」

うん、とうなずき
あたしたちは近くの公園に
向かった。

< 66 / 89 >

この作品をシェア

pagetop