**Real**
「一回、裏切った…」

「はぁ?」

「俺、一回だけ
裏切った。」

血の気が引いて行くのが
自分でもわかった。

「嘘でしょ…」

ねぇっ、と悠斗の
肩を揺らす。

「ゎりい…」

こっちに目を向けないまま
低い声であたしに言った。

「最低!!!!
悠斗ってそんな人だった?
あたしもっといい人だと
思ってた!!!
別れたって結局
自分が悪いんじゃん!!」

「ごめん。
でも仕方なかったんだよ!!」


あたしの怒りは
頂点だった。
悠斗は大きい声を出したけど
あたしはそんなのに負けない
くらいの声で反抗した。

「はぁ?
二股すんのが仕方ないの!?」

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