最後の恋の始め方
 実際和仁さんも、私以外の女性とは一定以上の「親密な交際」をしている様子は窺えないので。


 男女を問わず、友達は友達として存在しているのだと思われる。


 「だけど理恵の場合。あの男は油断ならないな」


 「どうしてですか」


 自分は私の信頼感を元に、自由に女性とも交流しているのに。


 私が男性と親しくすると、たちまちにして大人らしからぬ嫉妬の色を見せ付ける和仁さんに、私は唇を尖らせた。


 「理恵は……男に流されやすい」


 「え、私がですか」


 予想していなかったことを指摘されて、ちょっと驚いた。


 「誰にでも親しく接するのはいいのだけど、ある程度で線引きをしないと、男が勘違いする」


 「勘違いだなんて」


 「もしも理恵の笑顔を真に受けて、俺に気があるんじゃないかと、あの男が勘違いしたらどうする?」


 「まさか」


 「僕があの男だったら、絶対そう思ってるよ。手に入れようとしている相手が、優しくしてくれたら。自分に好意を持ち始めてるんじゃないか……? って、いい方に解釈する」
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