最後の恋の始め方
「は? 恋愛禁止?」
山室は呆気に取られている。
「彼女には今後僕の弟子として、写真のことを勉強してもらわないとならないから。恋愛はNG」
「本気なんですか」
「僕は何事に対しても、本気のつもりだけど」
僕はあっさり言い返した。
……三人の間に、再度沈黙が流れる。
真冬の夜、明日は祝日なので街は人の通りが多い。
周囲を絶え間なく人々が行きかっているが、我々三人がまさかこんな緊迫した局面にいるとは、通行人は誰も知る由もない。
「理恵ちゃん。考え直すんだ」
沈黙を破ったのは山室だった。
「このままだったら君は、不幸の一本道間違いなしだ。考え直すんなら今だ」
「山室さん……」
山室は理恵に手を差し伸べる。
「俺と一緒に、何もかもやり直そう」
理恵に新たな選択肢を指し示す。
「理恵ちゃん。今のままじゃ未来を見失ってしまう」
理恵に決断を急かせる。
僕から離れるようにと。
理恵は一瞬迷ったようだ。
もしかしたらこれが、果てのない闇の迷路から抜け出す最後のチャンスかもしれなかったから。
山室は呆気に取られている。
「彼女には今後僕の弟子として、写真のことを勉強してもらわないとならないから。恋愛はNG」
「本気なんですか」
「僕は何事に対しても、本気のつもりだけど」
僕はあっさり言い返した。
……三人の間に、再度沈黙が流れる。
真冬の夜、明日は祝日なので街は人の通りが多い。
周囲を絶え間なく人々が行きかっているが、我々三人がまさかこんな緊迫した局面にいるとは、通行人は誰も知る由もない。
「理恵ちゃん。考え直すんだ」
沈黙を破ったのは山室だった。
「このままだったら君は、不幸の一本道間違いなしだ。考え直すんなら今だ」
「山室さん……」
山室は理恵に手を差し伸べる。
「俺と一緒に、何もかもやり直そう」
理恵に新たな選択肢を指し示す。
「理恵ちゃん。今のままじゃ未来を見失ってしまう」
理恵に決断を急かせる。
僕から離れるようにと。
理恵は一瞬迷ったようだ。
もしかしたらこれが、果てのない闇の迷路から抜け出す最後のチャンスかもしれなかったから。