最後の恋の始め方
数日後のお昼前。
私は和仁さんのオフィスで勤務。
和仁さんはお昼から用事があって出かけるので、デスクに座ってその支度をしていた。
私はパソコンに向かい画像分類の作業をしていたら突然、パソコン脇で充電中の携帯電話が鳴り出した。
「!」
ディスプレイには、「山室さん」の文字が……。
電話に出るのがためらわれた。
「理恵、電話が鳴ってるよ」
デスクで書類をまとめていた和仁さんは、なかなか電話に出ない私に向かって言った。
職務時間中の通話は、よっぽどひどい私用のものでなければ許可されている。
このまま電話に出ないのも、逆に怪しまれる。
まさか山室さんも、完全な私用で電話を掛けてくるわけはなかろうと、私は通話ボタンを押した。
「あ、理恵ちゃん。この前はお疲れ様。今大丈夫?」
電話の向こうの男性の声が和仁さんに漏れないよう、注意を払う。
「はい。仕事中ですので少しだけなら」
「これからちょっと、職場にお邪魔していいかな?」
「えっ」
午前中に新篠津(しんしのつ)方面に所用があって、出向いた帰りらしい。
私は和仁さんのオフィスで勤務。
和仁さんはお昼から用事があって出かけるので、デスクに座ってその支度をしていた。
私はパソコンに向かい画像分類の作業をしていたら突然、パソコン脇で充電中の携帯電話が鳴り出した。
「!」
ディスプレイには、「山室さん」の文字が……。
電話に出るのがためらわれた。
「理恵、電話が鳴ってるよ」
デスクで書類をまとめていた和仁さんは、なかなか電話に出ない私に向かって言った。
職務時間中の通話は、よっぽどひどい私用のものでなければ許可されている。
このまま電話に出ないのも、逆に怪しまれる。
まさか山室さんも、完全な私用で電話を掛けてくるわけはなかろうと、私は通話ボタンを押した。
「あ、理恵ちゃん。この前はお疲れ様。今大丈夫?」
電話の向こうの男性の声が和仁さんに漏れないよう、注意を払う。
「はい。仕事中ですので少しだけなら」
「これからちょっと、職場にお邪魔していいかな?」
「えっ」
午前中に新篠津(しんしのつ)方面に所用があって、出向いた帰りらしい。