最後の恋の始め方
「兄弟みたいだよね。それでもコンプレックスっぽいのがあるらしいから不思議だよね」
他の友人を観察していると、父親がオヤジくさいとかメタボで恥ずかしいとか言って、周囲に見せないようにするケースが多かった。
「だけど佑典の場合は、全く逆だよね。自分の父親が若くて魅力的なのもまた、コンプレックスになり得る」
それから一般論の後、山室さんのお父さんの話になった。
50代の普通のサラリーマンだっていうけど、大手企業で役職に就いているらしい。
「父親は自分の未来予想図だっていうからね。あまり彼女には見せたくなかったよ」
そこから山室さんの別れた彼女の話題を経由して、再び佑典の話になった。
「まず第一に、最初から俺は海外行きには反対だった。就職の問題もあるけれど、よりにもよって政情不安定な国への赴任だなんて」
そう前置きした後、
「理恵ちゃんと距離を置いたって話を聞いた時、最初は信じられなかった。理由を聞いて絶句したけど、まさかあいつがそんな」
「山室さん……」
「経緯はどうあれ、他の女の子を家に連れ込むとはね……」
他の友人を観察していると、父親がオヤジくさいとかメタボで恥ずかしいとか言って、周囲に見せないようにするケースが多かった。
「だけど佑典の場合は、全く逆だよね。自分の父親が若くて魅力的なのもまた、コンプレックスになり得る」
それから一般論の後、山室さんのお父さんの話になった。
50代の普通のサラリーマンだっていうけど、大手企業で役職に就いているらしい。
「父親は自分の未来予想図だっていうからね。あまり彼女には見せたくなかったよ」
そこから山室さんの別れた彼女の話題を経由して、再び佑典の話になった。
「まず第一に、最初から俺は海外行きには反対だった。就職の問題もあるけれど、よりにもよって政情不安定な国への赴任だなんて」
そう前置きした後、
「理恵ちゃんと距離を置いたって話を聞いた時、最初は信じられなかった。理由を聞いて絶句したけど、まさかあいつがそんな」
「山室さん……」
「経緯はどうあれ、他の女の子を家に連れ込むとはね……」