最後の恋の始め方
佑典は私と和仁さんとのことは、山室さんには話していない。
ただ自分が悪かったとだけ。
深く考えず、酔った内村さんを介抱のため家に連れ込んでしまったと。
それにより連れ込んだという行為が、内村さんの中で既成事実化してしまったと……。
「人のいい奴だったから、肉食系な後輩に嵌められたのかもしれないけど。それにしても理恵ちゃんを泣かすような真似をするとは、許しがたいな」
「私を泣かす……?」
むしろ泣きたいのは、佑典のほうだと思う。
なのに佑典は、私のしていたことに関しては何も言わず。
ただ自分だけが罪をかぶって、海外へと旅立ってしまった。
「佑典と理恵ちゃんは、遠く離れてもゆるぎないって信じてたのに。分からないものだよね。佑典が友人であることには変わりないけれど、理恵ちゃんを悲しませたことだけは許せない」
「あ、あの。山室さん」
「ん?」
「その話、ちょっと違うんです」
「違うって、何が?」
「悪いのは佑典じゃありません。私なんです」
「え?」
佑典は私を庇っているだけなのに、それが原因で山室さんと佑典との仲にまでひびが入ってしまうのは、避けたいと思った。
ただ自分が悪かったとだけ。
深く考えず、酔った内村さんを介抱のため家に連れ込んでしまったと。
それにより連れ込んだという行為が、内村さんの中で既成事実化してしまったと……。
「人のいい奴だったから、肉食系な後輩に嵌められたのかもしれないけど。それにしても理恵ちゃんを泣かすような真似をするとは、許しがたいな」
「私を泣かす……?」
むしろ泣きたいのは、佑典のほうだと思う。
なのに佑典は、私のしていたことに関しては何も言わず。
ただ自分だけが罪をかぶって、海外へと旅立ってしまった。
「佑典と理恵ちゃんは、遠く離れてもゆるぎないって信じてたのに。分からないものだよね。佑典が友人であることには変わりないけれど、理恵ちゃんを悲しませたことだけは許せない」
「あ、あの。山室さん」
「ん?」
「その話、ちょっと違うんです」
「違うって、何が?」
「悪いのは佑典じゃありません。私なんです」
「え?」
佑典は私を庇っているだけなのに、それが原因で山室さんと佑典との仲にまでひびが入ってしまうのは、避けたいと思った。