波音の回廊
「でも……。そんなことして発覚したら、お孫さんに危害が加わるかも」
「大丈夫。私は武道は鍛えられているから」
少女はにこっと笑った。
「いざとなれば、屋根を越えて逃げることだってできるし」
「さあ、急いで着替えて」
私は急かされるままに、じいのお孫さんと着物を交換した。
「衛兵がいなくなるまで、顔を上げちゃだめだよ。とりあえずじいの館に移動して、それから対策を練るから」
「清廉は?」
「今日から取り調べかしらね。まだ殿は意識がお戻りにならないし」
「助けることはできないのでしょうか?」
「今の段階で脱走でもしたら、逆に罪を認めたとみなされそうだしね……。おとなしくしてれば、次期当主である若様に、誰も危害は加えないと思うけど」
「……」
「大丈夫。私は武道は鍛えられているから」
少女はにこっと笑った。
「いざとなれば、屋根を越えて逃げることだってできるし」
「さあ、急いで着替えて」
私は急かされるままに、じいのお孫さんと着物を交換した。
「衛兵がいなくなるまで、顔を上げちゃだめだよ。とりあえずじいの館に移動して、それから対策を練るから」
「清廉は?」
「今日から取り調べかしらね。まだ殿は意識がお戻りにならないし」
「助けることはできないのでしょうか?」
「今の段階で脱走でもしたら、逆に罪を認めたとみなされそうだしね……。おとなしくしてれば、次期当主である若様に、誰も危害は加えないと思うけど」
「……」