波音の回廊
チチチ……。
柔らかな闇の中、耳に届くのは。
小鳥のさえずり。
心地よい目覚めから、私は徐々に意識を取り戻しつつあった。
瞼の裏の色が、漆黒から白い闇へと変わりつつある。
「……」
私はゆっくりと瞼を開いた。
「あ、気がつきましたよ」
女の人の声が聞こえた。
視界がぼんやりとした輪郭から、徐々に形作られてきた。
「若様をお呼びした方が」
今度は中年男性の声がした。
「……?」
私は周囲を見渡した。
異国風の、こじんまりとした部屋の中。
私はベッドに寝かされていた。
枕元で、容器の水を取り替えている年配の女性と。
ベッドの脇で診察道具みたいなものを取り出している、中年男性がいる。
柔らかな闇の中、耳に届くのは。
小鳥のさえずり。
心地よい目覚めから、私は徐々に意識を取り戻しつつあった。
瞼の裏の色が、漆黒から白い闇へと変わりつつある。
「……」
私はゆっくりと瞼を開いた。
「あ、気がつきましたよ」
女の人の声が聞こえた。
視界がぼんやりとした輪郭から、徐々に形作られてきた。
「若様をお呼びした方が」
今度は中年男性の声がした。
「……?」
私は周囲を見渡した。
異国風の、こじんまりとした部屋の中。
私はベッドに寝かされていた。
枕元で、容器の水を取り替えている年配の女性と。
ベッドの脇で診察道具みたいなものを取り出している、中年男性がいる。