波音の回廊
 カン、カン、カン……。


 幾度となくぶつかり合う刃。


 刃の長さも違うので、清廉から攻め込んでいけない。


 清明の絶え間ない攻撃に、ひたすら耐えているだけだった。


 「無駄な抵抗はやめろ!」


 清明は斬りかかる際、余裕の笑みすら浮かべていた。


 そしてついに限界が訪れた。


 清明の力任せの攻撃に耐え切れず、清廉は小刀を手放してしまった。


 そのまま小刀は、手の届かない場所まで飛んでいってしまった。


 清廉にもう武器がないのを知っている清明は、にやりと微笑む。


 そして間合いを詰め、とどめを刺そうと大きく振りかぶって斬りかかって来た。


 「覚悟!」
< 180 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop